2021.08.24
編集後記
地平線上に、ぷかぷかと積乱雲をいくつか浮かべた真っ青な空に、ぼくの心は吸い込まれた。
前日の五月一三日、対面同窓会は中止になった。優れた仲間たちが集まって、可能な限り緻密を極め、COVID-19感染予防対策に知恵を絞りきった。皆がまるで我が子のように愛着を持った対面同窓会であった。
人生もある時期を境に、出会いより消失が多くなる。そうした悲しみをそっと抱いて生きた証とする知恵はある。あの積乱雲たちは、若き日の僕たちであり、いずれ役目を終えて雨や蒸気となり消える。
僕たち運営委員会とCOVID-19の変異との戦いはまさしくチキンレースだった。
日々、感染状況を表す棒グラフを見た。甘い予測は次々と覆され、しぶとく生き残りをかけて感染力と毒性を強めるCOVID-19。
しかし、やがて雨や蒸気は小さな流れとなり、いつか大河や海となって、多くの自然や生命を育んでいくだろう。対面同窓会は無くなったが、リモート同窓会は、大きな結実の一つであり、未来への橋渡しとなる。
こうした流れの途中に我らの岐阜高校は「ある」。
令和三年、そうした時の記録をとどめるために手を貸していただきました全ての皆様に謝辞を述べます。
会報 昭和五三年卒 中風明世
表紙タイトル Sérénité
新たな歩みへ~我々の叡智で未来図を描こう~
中風明世 画家
岐阜高校卒、武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒、第36回現代美術選抜展(文化庁主催)出品。アートスペース羅針盤[東京]を中心に個展多数。釜山アートフェア・個展ブース招待作家。2021年6月 極小美術館[岐阜]と、ギャルリhu:[名古屋]の2会場で第29回中風明世展同時開催予定。岐阜市立女子短期大学非常勤講師。
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