どうそ「うかい座談会」
―岐高同窓会という病―

令和三年五月一五日　うかいミュージアム

この座談会で、岐高同窓会病を患っているのが、僕だけでは無いことが良くわかった。
対面開催が無くなってみな、クールに決めてはいたが、初恋に破れたときはこんな感じだった。
いきなりあの人が目の前から去ったのは、たしか高校生の時…。

中風　どのように我々がコロナ禍で、同窓会開催に向けて準備を進めてきたか、という思いを語り合い、会報誌に記録として残すことで気持ちの一区切りにしたいと、運営委員会のメンバーによる座談会を開催しました。

江良　同窓会はオンラインになりましたが、禍根を残さないように最後の整理までしっかりとやっていきたい、そんな気持ちです。

河嶋廣　最後の最後に腰が砕けてしまったのではないかという恨みはありますが、母校にこれだけ関われたのは幸せ。運営委員会に誘ってくれた中風くんに感謝しています。

東明　今でも対面開催できると信じてますが、決断は決断で従わざるを得ないので、全力で動いて最後を締めたいです。

田中　結果は残念で、同窓会ロスにならなければいいなと思っていますが、目標を持って互いに元気に生きていく、そんな風に思えるきっかけを同窓会がつくってくれました。

竹中　岐阜高校に縁があって入学し、六二歳になった今も、つながれていて嬉しい。コロナで対面での同窓会が開けないのは運が悪いというか、僕も残念に思っています。

高橋　会報誌の広告協賛のお願いの電話をしている時に、依頼先の方々から掛けてもらった、「頑張ってください」という言葉がありがたかったです。大きな協力に感謝し、岐阜高校の卒業生でよかったと改めて思いました。オンラインでの同窓会をやり遂げたい、今はそんな気持ちでいます。

松山　前年度の運営委員会との違いは、順調に進む準備の途中で、突然、前代未聞のコロナ禍が起き、どんどん状況が厳しくなって中止を余儀なくされましたが、我々はコロナ禍の真っ最中で始めたにも拘らず、どうにかしてでも開催できる方法を模索してきた違い。方向性を一生懸命にみんなで探してやってきました。感染防止対策も、専門家にメディカルアドバイザーになっていただいて、万全を期しました。しかし、対面開催は中止になりますが、我々の成果として、オンラインの新しいカタチで同窓会を開催することになったと前向きに捉えています。ブログや動画配信のできる新しく美しいホームページも作りました。新しいことをやったのだと、それが一〇年、二〇年下の学年の運営委員につながり、ますます盛り上げていってほしいです。オンライン同窓会に参加した人が楽しんで終われることを目指し、あと少し頑張っていきたいです。

中風　昨年度の同窓会から我々の運営委員会に引き継ぐのが難産で、例年ならば六月には組織はできあがっていないといけないのが、八月になって篠田くんが運営委員長を引き受けてくれてからのスタートに。スリリングな中で進んでいきました。例年はまず最初に、巨大同窓会動員に向けて大勢の運営委員会を組織します。我々はその数分の一の人数で。しかし、やり遂げるという思いの同窓生が運営委員に集まったので、少数でもここまで来られたことがすごいなと。みんなのモチベーションが素晴らしくていい戦い方ができた。今年のような状況で、運営委員を引き受けること自体が鬼っ子の押し付け合いみたいになってしまって、第三者からしたらコロナ禍で何やっているんだ、という視線もあったかもしれないけれど、本当によかった。

篠田　そうですね。しかし、引き受けた時、すでにぼくは、同窓会はできる！という確信がありました。

一同　おー。

篠田　そうして準備をしてきましたが、状況がこうなったからには何ともならない。今日（五月一五日）の新聞でも、古田肇知事が国に緊急事態宣言への追加を求めると報道されました。我々の対面中止の判断はそれよりも早くって（五月一三日）、「どんなもんだい」という思いはあります。ただ、明日（座談会の翌日）、岐阜工業高校が同窓会を開くと、みんなで集合写真を撮った堤防道路で取材をしていただいている岐阜新聞記者の方から聞いて悔しくて、やられたと思いました。

中風　なかなか堤防道路から会場に向かわれないのでどうしたのかなと。

篠田　堤防道路…悔しくて、情けなくて、みんなに申し訳なくて、気持ちの整理をつけられませんでした。やっぱり一番になりたかった。でも参加希望者が五〇人と聞いて、うちは一二〇人だよと。最初は五〇～六〇人も集まれば十分と思っていたので嬉しかったです。頑張った甲斐がありました。参加してくれる人たちはオンラインでも盛り上げてくれると期待しています。温かい雰囲気で楽しんでもらい、よかったねと言ってもらえたら大成功です。

木村（ズーム）ズームでの開催になってしまいましたが、イベント配信の司会という大きな仕事があるので、どうぞよろしくお願いします。

白木（ズーム） 同窓生全員と仲良くあいさつをしてすぐに退室。

佐久間（ズーム） 何とかこれから先に、私たちの意思を伝えることができればいいと思っています。これまでの姿を思う存分、会報に反映することで、これからの岐阜高校同窓会の新たな姿に貢献できるのでは。みんな、すごくかっこよかった。

男性一同　ほんと？（照れながら）

中風　一番スタイリッシュだったのが河嶋廣くん。この同窓会の活動中にＢＭＷのカブリオレを買っちゃって。同窓会に颯爽と乗って駆けつけるつもりでいたのが無駄になってしまって、こんな可哀想なことはないよね。林誠人くんがこの前の川原町の座談会にポルシェのパナメーラに乗ってきたので、林がポルシェなら俺はＢＭＷだってね。

松野（ズーム）岐阜を離れて四〇年で同窓会に参加するのを本当に楽しみにしていたので残念です。皆さんが頑張っている姿を見させてもらって力になりました。岐阜高校の皆さんはやはり優秀です。

川島潤（ズーム）すごい仲間が集まっていると思ってます。対面で開催した時には同窓会のいいモデルケースになると思っていました。「いつか」みんなで集まって、あの時にはこんなことがあったねと話せる時が来るのを待っています。

中風　「いつか」という川島潤くんの話を聞いて、一番遠くても東明くんが運営委員長の一〇年後。その前に何かできるといいけれど、何とか長生きをして同窓会に乗り込んで、後輩たちを困らせちゃいましょう。

東明　ただでさえ、色の濃い先輩たちなんで。それはどうかと…。（一同笑）でも、飢饉の中のリーダーシップを見たように思ってます。難しい状況の中で、諦めずに突き進んだ。最後の最後まで粘って戦ってできなかった。途中で諦めてできなかったのとは全然違いますから。

篠田　そうですね。また、前例がないってことは好き放題にやらせてもらえる。だから楽しかった。確かに考えなければいけないことは多かったですが、レールに敷かれたものを踏襲するだけならば何も面白くなかった。

中風　篠田運営委員長はいつ書類を制作しているのかといつも不思議でしたが膨大な質と量ですよね。

松山　土日はたいてい徹夜でしょ？

篠田　そうでした。（一同感嘆）

松山　河嶋廣くんは、所在の分からない同窓生や恩師は古い卒業名簿を見て直接会いに行ったでしょ。あれはできないよ。

河嶋廣　座談会だからタネを明かすけれど、あらゆる方法を駆使しました。卒業名簿で住所を調べたら結構町名変更があって。岐阜市に聞いたら法務局に聞いてくれとなって。法務局に何度も電話するから、すぐに教えてくれるようになって。奈良から岐阜に帰ってくる度に車（ＢＭＷ）で走りました。一軒一軒電話しました。渡邊博くんはインターネットに「外交官 渡邊博」と打ち込んだら出てきた。写真もあったので、昭和五三年卒のラインで訪ねたら本人だと確証が持てたので、フィリピンのセブ島総領事室に電話しました。渡邊くんが出てきたときはもう感動！
五組の中川英彦くんは、インターネットの電話帳に同姓同名が五人出てきた。自分の感で岐阜と東京が〝クサイ〟と。

まるで岡っ引きだ、（一同笑）

河嶋廣　意を決して東京の方に電話したら本人で、当たった！と思いました。その後メールを送ったら「懐かしかった」と言ってくれて。そういうのが原動力になりました。二〇人が分からないままタイムリミットになって残念。

中風　広告は正月明け一番のロケットスタート、東明くんと高橋くん、江良くんがたくさんの依頼先へ電話をし、勢いづけた。続いて永田くん、河嶋廣くん、田中くん、佐久間くん、竹中くんがコロナ禍で大変難しい医療関係に電話してもらい、五〇〇万円超えというミラクルが起きました。

高橋　広告活動は依頼先に足を運ばなければいけないところ、コロナ禍で電話になって。でも皆さんから温かい気持ちをもらいました。毎年、高額の寄付をしてくださっている方々に深く感謝します。

中風　広告のあり様は、我々だけの同窓会ではないということを知らしめてくれました。もう一つ素晴らしいのが東京から岐阜に帰ってくる度に、ハードスケジュールをこなした松山くん。

松山　逆にコロナだったから在宅ワークで動きやすかったところもありました。うちの会社の前会長が岐阜高校の卒業生で理解をいただきました。社長が岐阜商工会議所のこともしていて、岐阜大教授の篠田くんと一緒に仕事をすることもありました。篠田くんが運営委員長になるならばと、仕事がらみで手を挙げさせてもらいました。

ビジネスだったの？（一同笑）

松山　僕も土木系で委員長と二人で当日イベントを５ＧやＳＤＧｓとかの堅いプログラムばかり考えていたら、中風くんや東明くんから、楽しいのが同窓会と言われまして。私も身を持ってそう感じています。

早川（ズームに遅れて参加）広告部の皆さんの頑張りに昭和五三年卒の運営委員の端くれとして誇らしく思っています。

中風　さて、この人がいなかったら回らなかったという知恵袋の江良くんから一言。

江良　篠田くんが組織表のいろんなところに僕の名前を入れるんで、行かなければいけなくなって。

篠田　ばれていましたか（笑）。頼りにしていました。

江良　一生懸命なみんなに付いていくのに精一杯なだけでした。来年の幹事から運営の仕方について照会があったらいつでも応えようと思っています。

田中　同窓会でこんな年齢まで、会議の度に盛り上がるのはなかなかないことで、若返った気持ちになって楽しかったです。

篠田　今日は、楽しく笑い飛ばしながら苦労を語り合えました。愚痴にならなかったからすごく嬉しかった。やっぱりすごいメンバーです。オンライン同窓会に参加した皆さんに温かい気持ちで楽しんでもらう、それを最終目標にあと少し頑張りましょう。ありがとうございました。

一同　ありがとうございました！

座談会に来られなかった仲間の声

香田　昨年九月に運営委員会の各部担当が決まり、ようやくｚｏｏｍでの打合せが始まったわけですが、日曜の夜開催なのでアルコール片手の参加者が多数を占める中での大激論となり、時間がないのに議論が迷走し、年末時点で合意できたのはテーマの文言のみ。目玉となるイベント内容については「ドクターＸの林誠人くんを呼ぶのなら、主演の米倉涼子も呼んだらどうか。ギャラが足りないのなら広告部が頑張って稼ぎ出してやる！！」と叫ぶ者が出る始末。三月予定の案内状発送が迫る中でも、会場対面開催の可否を決断できない状況でした。そんな中で「広告収入が目標大幅過達」という知らせが入り、「やればできる」「対面開催も諦めるな」と一気にベクトルが一本になった気がします。

加藤　五月九日に開催の方針が決まり、翌日深夜に恩師への総会・懇親会の招待状を用意。印刷して折り畳み、恩師のあて先を添えて母校の校章をプリントしたピンク色の所定封筒に封入する時、四〇数年前の思い出が去来して目頭が熱くなりました。下働きしかできず申し訳ないと思いつつ、仲間と一緒になって令和三年度の運営委員会に携われて本当によかったです。

山賀　同窓会の運営委員に加えていただき半年程度活動しました。現時点での活動としてはｗｅｂ会議の参加や東明くん、近藤くんとの座談会に参加した程度であまりお役には立てていませんが、岐阜高校同窓生の方々が様々な分野で精力的に活動されていることを実感し、岐阜高校のポテンシャルの高さを改めて感じました。今回の同窓会開催までの苦労が、こんなこともあったねと笑って語り合えるような平穏な日常が一刻も早く取り戻せることを願っています。

永田　広告を担当しました。私の業績はサッパリでしたが、目標額を超える快挙、皆様に感謝いたします。