古往今来

2022(令和4)年10月

第1話 ■創立120周年記念のさざれ石

 岐阜高校の正門にあるさざれ石は、創立120周年を記念して、旧校舎本館の玄関の西側に設置されたものです(写真は旧校舎時代の2007(平成19)年2月に撮影したものです)。創立120周年には、あわせて記念樹(シダレザクラ、サツキ)も植えられました。そのシダレザクラは校舎が改築された時に鍋屋バイテック会社(関市)に移され、現在の正門にあるシダレザクラとサツキは、正門の整備の際に更新されたものです。

 さざれ石(細石)は、小石片の間隙が炭酸カルシウム(CaCO)や水酸化鉄(Ⅲ)(Fe(OH))などによって充塡されて巨石に変化した石灰質角礫岩のことで、伊吹山東麓が国内の主要な産地です。同地の地質は伊吹山石灰岩層(中部二畳紀層)で、再結晶化した石灰石やドロマイトを産します。国歌「君が代」では、小石や細かい石が巌となり、更にそこに苔が生すまでも国が栄えゆくことの比喩的表現に用いられています。
 揖斐川町春日川合には「さざれ石公園」があり、岐阜県天然記念物(1977(昭和52)年11月・指定)の石灰質角礫岩があります。公園は笹又地区の粕川(地元では長谷川とも)の川原にあります。ここは伊吹山(1377m)の東約1.5㎞の所で三合目にあたります。天然記念物に指定されている岩は、高さ3.0m、横5.6m、幅(最大の厚さ)2.7mの大きさで、重量は約50㌧(岐阜県文化伝承課のHP)です。さざれ石の脇には「さざれ石 国歌君が代発祥の地」と刻した石碑(内閣総理大臣中曽根康弘の書)が建てられています。

さざれ石の写真

古往今来(こおう・こんらい)という表題について

 江戸後期の儒学者、佐藤一斎(1772~1859)は美濃国岩村藩の出身で、林家の塾頭、昌平黌の教授になりました。彼は1805(文化2)年に塾頭となって塾生に講学し、その余暇に感想を録して「言志録」(246条、1824年刊)としました。時は文化・文政期、将軍家斉が全盛を誇り、社会には爛熟と頽廃の機運が萌していました。
 言志録の143条に「古往歴史、是現世界、今来世界、是活歴史」(古往の歴史は、是れ現世界にして、今来の世界は、是れ活歴史(かつれきし)なり)とあります。このコラムが、校史紹介の一端となり、今に活かされることを期待します。

参考文献:「言志四録(一)言志録」佐藤一斎著、川上正光全訳注(講談社、2013年)


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